暗号資産のマイニングという言葉よく聞きますが、マイニングとは何なのか?
どういう意味なのか?
マイニングの仕組みを徹底解説してきます。
この記事を読んで分かること
- ビットコイン(BTC)マイニングの仕組みと専門用語の解説
- マイニングの種類とメリット、デメリット
- マイニング市場とマイニングの意義
- ビットコイン(BTC)の歴史
徹底的に解説しているのでちょっと難しい。もっとあっさり簡単にわかりたい方はこちらへ ↓↓
目次
ビットコイン(BTC)マイニングとは?

どの国にも中央銀行が存在します。私達が普段使う円やドルは全て中央銀行で管理されています。
ビットコイン(BTC)は非中央集権型のブロックチェーン技術によって成り立っており、中央銀行やそれに類する管理組織がありません。
ブロックチェーンは、ビットコインの取引データをまとめてブロックの中に詰め込み、ブロックの中には「誰が」「いつ」「どのくらいの量の取引したのか」といった重要なデータが書き込まれていきます。
このデータが間違いないかをチェックする(取引を承認する作業)作業自体がマイニングなのです。
● トランザクション=取引データ
● ブロックト=ランザクションをまとめたもの
● マイニング=承認作業
● マイナー=マイニングする人
マイナーはマイニングする報酬として仮想通貨を得ることが出来ます。
BTCをマイニングしているマイナーは報酬としてBTCを得る事ができ、ETHをマイニングしているマイナーは報酬としてETHを得ます。
なぜマイニングが必要なのか?
マイニングはブロックチェーンを維持することそのものです。マイニングの役割を2つ挙げて、報酬がもらえる仕組みを解説します。
マイニング=ビットコイン(BTC)の不正監視・取引承認
世界中でビットコイン(BTC)の入出金取引が起こる度に、承認作業が必要です。
この取引承認はビットコイン(BTC)を不正に増やす操作をしていないか確認する作業とブロックチェーン上に、この取引のデータを書き込む作業の2つから成ります。
これが終わってようやく送金されたビットコイン(BTC)が相手のウォレットに到着します。
この一連の作業を1台のコンピュータに任せると管理者の不正・外部からのハッキングリスクがつきまといます。
なのでビットコインはブロックチェーン技術の元、下記の仕組みで動いています。
- 誰でも各自所有のコンピュータの処理能力を使って、取引承認作業に参加できる
- 参加の報酬として、ビットコイン(BTC)を支払う
マイニング報酬にも役割がある
取引承認作業の見返りとして支払われるビットコイン(BTC)は、常に新しく発行されたものです。
新規発行はマイニング報酬の発生時にしか行われません。入出金する人が存在する限り、発行上限量の2,100万枚に達するまで発行し続けます。
つまり、マイニングには「ビットコイン(BTC)の流通量を増やす」という重要な役割があります。
マイニングのまとめ
マイニング報酬がもらえるのは、ビットコインのシステム維持にマイニングが欠かせないからです。
- コンピュータ(ASIC)を動かしておくだけでビットコインがもらえる
- 現在はマイニング専用機(ASIC)を購入しないとマイニング出来ない
- 電気代がめちゃくちゃかかる
- BTCの価格が下落すると赤字になる
日本国内の場合電気代が高額すぎて、BTCマイニングができません。
マイニングに関連する専門用語について
ハッシュレート(Hashrate)とは?
ハッシュレートとは、マイニングにおける計算力を表す単位です。なので計算能力が高ければ高いほど得られるマイニング報酬が高くなります。
単位の大きさは下記の通りです。
- 1 kh/s = 1,000H/s(キロハッシュ)
- 1 Mh/s = 1,000,000H/s(メガハッシュ)
- 1 Gh/s = 1,000,000,000H/s (ギガハッシュ)
- 1Th/s = 1,000,000,000,000H/s(テラハッシュ)
- 1 Ph/s = 1,000,000,000,000,000H/s(ペタハッシュ)
但し、注意する事が一点あります。このハッシュレートの単位は、各仮想通貨が採用しているアルゴリズム毎に基準となる単位が全然違います。
具体的な例を見てみましょう

この表はASIC(マイニング専用機)のハッシュレートです。一番ハッシュレートが大きいものと小さいものの単位を比べてみると1 kh/s = 1,000H/sと1Th/s = 1,000,000,000,000H/sになります。しかし、報酬は4倍程度の差しかありません。
この様にアルゴリズムによってハッシュレートの基準単位が全然違うので、大きなハッシュレートを出すマイニングマシーンだから報酬が多いとは限らないのです。
ディフィカルティ(Difficulty)とは?
ディフィカルティとは、マイニングの採掘難易度を表す指標です。
マイニングする人が増えるとディフィカルティが上昇します。ディフィカルティが上昇すればする程、獲得できるマイニング報酬が少なくなってしまいます。
ビットコインの場合は2016ブロック作られるごとにディフィカルティが調整されます。
ビットコインのブロックの生成時間は大体10分に1回になるように調整さていますが、調整するために2週間に1度採掘難易度(difficulty/ディフィカルティー)を変更します。
過去2週間の平均が10分より短ければ採掘難易度(difficulty/ディフィカルティー)を上げ、逆に長ければ難易度を下げます。採掘速度・採掘難易度の2つが、マイニング効率に影響します。
ビットコインは仮想通貨の中で一番マイニングされている通過なので、ディフィカルティが上がり続けています。その為、日本でマイニングする場合、ビットコイン以外の仮想通貨をマイニングするのが一般的です。
Nonce(ナンス)とは?
(ナンス/nonce)とはnumber used onceの略で直訳すると一度だけ使われる数字です。
承認済みブロックに新しいブロックを繋げるには、ハッシュ関数に「承認済みブロックのハッシュ値+ナンス」を当てはめたとき、条件に当てはまる数字が返ってくる必要があります。
ビットコインのハッシュ関数(ハッシュアルゴリズム):SHA-256の場合は先頭16桁程度の0が並ぶのハッシュ値です。この0の数はマイニングされていく毎に少なくなっていきます。
因みに2017年11月は先頭に0が18個以上並んだハッシュ値でした。
この条件に当てはまるナンス(正解の文字列)を見つけたコンピュータは、 ナンスについてブロックチェーンの参加者の合意を得る(コンセンサス) 合意が得られたら、ブロックを繋げる というステップを踏み、マイニング報酬を得ることが出来ます。
マイニングの技術的な仕組み(コンセンサスアルゴリズムとは)
取引の承認作業とは承認済み取引を格納したブロックチェーンに、新しいブロックを繋げる作業です。

マイニングで見つけたブロックに取引履歴を格納していきます。
ブロックをマイニングで見つけるには(ナンス/nonce)と呼ばれる入力値が必要です。この入力値はハッシュ値が0で続くハッシュ値結果を出す入力値である必要があります。
マイニングの作業フローイメージ

マイニングとは0が並ぶハッシュ値を見つける作業で、0が並ぶハッシュ値を見つけるには入力値(ナンス/nonce)をひたすらにハッシュ関数に打ち込む必要があります。
ハッシュ関数・ハッシュ値とは
ハッシュ関数とは、入力されたデータをランダムな数字に変換する数式のことです。
ビットコインでは、各ブロックの解読・改ざんに必要な鍵をランダムな値に変換します。変換後の数字を「ハッシュ値」と呼びます。
ハッシュ関数を実際に試せるサイトがあるので試してみましょう。

https://hashtoolkit.com/generate-hash/
マイニングの窓口をビットコイン(BTC)で採用されているSHA-256アルゴリズムでハッシュ化すると下記のハッシュ値になります。このハッシュ値は変わることはありません。
皆さんがハッシュ関数にマイニングの窓口と入力しても下記と同じ文字列が返ってきます。
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ハッシュ関数とは入力された文字列を適当に変換する仕組みです。変換された文字列をハッシュ値と言い、ハッシュ値は入力された文字列と対になっています。
マイニング報酬を得るには32bit分の文字列(ナンス/nonce)をひたすら入力し、正解の(ハッシュ値)を見つける作業となります。正解のハッシュ値とは先頭に0が16桁つながっているハッシュ値のことです。
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このハッシュ値が出る文字列を見つけ出すためにひたすら適当な入力値(ナンス/nonce)をハッシュ関数に打ち込み続けているのです。正解のハッシュ値を見つける作業こそがマイニングなのです。
報酬は早い者勝ち「PoW(プルーフ・オブ・ワーク)」とは
ビットコインのマイニング報酬は、最初にナンス値を見つけたコンピュータに付与されます。これは「一番乗りでナンスを見つけられるだけの処理能力・作業量」が評価されたためです。
この評価システム、つまり提出するナンスに対する合意の基準を「コンセンサスアルゴリズム」と呼びます。ビットコインではPoW(Proof of work/プルーフ・オブ・ワーク)が採用されています。
ブロックチェーンは完璧ではない!?デメリットを解説
ブロックチェーンの改ざん51%攻撃とは
マイニングする人だけではなく、ビットコインやその他のPoWを採用している仮想通貨を持っている人全体の問題でもあるのが51%攻撃です。
ブロックチェーンの改ざんは、マイニング中のコンピュータ全台を合わせた計算能力のうち、同一人物・または悪意のあるグループだけが51%を独占することで可能です。この場合、次のような攻撃が可能です。
二重支払い
ビットコイン(BTC)のブロックチェーンは、分岐することがあります。この時、短いほうのチェーンが不正・長いほうを正としてブロックを繋げていくルールになっています。
攻撃者が不正となるはずの短いほうのチェーンを承認することで、世界中で行われている取引が混乱・ビットコイン(BTC)は機能不全となります。
マイナーコインは簡単に51%攻撃可能
PoWを採用している仮想通貨は、全て51%攻撃の対象となります。例えばビットコイン(BTC)のマイニングプール(参加者同士が協力してマイニングを行う)同士が結託すれば簡単に51%攻撃が可能です。

この図は、マイニングプールのハッシュレート分布を示すものです。上位3位のBTC.com・AntPool・SlushPoolが結託すれば、51%攻撃が可能だと分かります。ただし可能性は極めて低いです。BTCへの不安や失望からBTCの価格が下がるため
最も危険なのはPoWを採用している流通総額が低い仮想通貨です。流通総額が低ければハッキングに必要なハッシュレート が少なくて済むので51%攻撃しやすくなります。下記のサイトで51%攻撃にかかるコストを一覧することが可能です。

Attack Costを見ればどの通貨が51%攻撃しやすいかがわかります。
51%攻撃の対策は?
現状、攻撃の防御手段・対策は存在しません。マイナーが分散し、かつ仮想通貨の流通総額が多きれば大きいほど安全になりますが100%ではありません。
中央集権の仕組みではなく分散型システムで51%対策をする現実的な方法としてはコンピュータの計算能力ではなく仮想通貨の保有枚数に応じてマイニング報酬を付与する「PoS(プルーフ・オブ・ステーク)」への移行が無難です。
ビットコイン(BTC)マイニングの報酬と半減期
マイニングにおいて重要なのは、「半減期」と呼ばれるタイミングです。半減期とは、1ブロックあたりのマイニング報酬が半分に減らされる時期のことです。ビットコインは、21万ブロックが採掘されるたびに半減期がやってきます。
半減期が起きる目的・理由は、ビットコインの流通量が急激に増えて、価値が下落するのを防ぐためです。マイニングを続けるにあたってはデメリットですが、ビットコインの流通・普及を支える上では重要なシステムです。
ビットコインの半減期・報酬の変遷
既に2回の半減期が終わっており、現在の報酬は1ブロック=12.5BTCです。過去にあった半減期は次の通りです。
2012年11月28日 | 1回目の半減期。21万ブロックが採掘済みとなる。1ブロックあたりのマイニング報酬が50BTCから25BTCになる |
2016年7月9日 | 2回目の半減期。42万ブロックが採掘済みとなる。1ブロックあたりのマイニング報酬が25BTCから12.5BTCになる |
ビットコインの次の半減期はいつ?
ブロック高(=Block hight/採掘済みブロック数のこと)が63万に達すると、さらに報酬が半分になって1ブロック=6.25BTCになります。
2018年6月9日現在のブロック高を見てみましょう。

約52万ブロックが採掘済み・半減期までおよそ11万ブロックです。これまでのペースだと4年おき、つまり次の半減期は2020年6~7月と考えられています。
マイニングの種類とメリット、デメリット

マイニングには様々な機械ややり方がありますが、ビットコインマイニングに関してはASIC(マイニング専用機)のマイニングでしかマイニングする事が出来ません。(現在は)
2018年現在、ビットコインマイニングはASIC、それ以外の仮想通貨(アルトコイン)は様々なやり方でマイニングされています。
一人でマイニングするソロマイニング大きな設備投資をしたマイナー用で、普通の自宅マイナーはマイニングプールを使い、みんなで協力してマイニングして報酬を分け合っています。
GPUマイニング
GPUマイニングはアルトコインをマイニングするのに適しています。GPUはGTX系とAMDの二種類あり、仮想通貨毎に得意不得意が別れています。ASICと違い各アルゴリズムに柔軟に対応出来るのがメリットです
FPGAマイニング
FPGAマイニングはGPUマイニングの汎用性、ASICマイニングの高効率性を兼ね備えていますが、高価格および、開発に高い技術がいるためあまり市場に出回っておりません。
ASICマイニング
ASICマイニングは各アルゴリズム専用のマイニング専用機です。対応しているアルゴリズム以外はマイニングする事が出来ないので、仮想通貨がアルゴリズムを変更するとASICは使えなくなってしまいます。マイニング設定自体は簡単ですが、買うタイミングが凄く難しいです。
家で動かすには、ASICは消費電力が大きいものが多いので200V電源工事をするのが望ましいです。騒音(掃除機の音と同じくらい)がかなりあるのでマンションで行うのは厳しいかもしれません。
家で動かすのは現実的ではないですね。
家でマイニングすると利益はどのくらい?
それでは気になるマイニングの利益について解説していきます。
ASICマイニングの利益
ASICの1日の利益は1,000円から10,000円とかなり幅があります。
マイニング機器 | 仮想通貨 | 消費電力 | 電気代/月 | 売り上げ | 利益 |
Bitmain Antminer Z9 | Zcash | 970 w | 17,460円 | 69,000円 | 51,540円 |
Innosilicon T2 Turbo+ 32T | Bitcoin | 2200 w | 39,600 | 56,040円 | 16,440円 |
GPUマイニングの利益

次はマイニングの仕組みについて詳しく解説していきます。
ビットコイン(BTC)の歴史
ビットコイン(BTC)は仮想通貨の一種で、現在でも最も時価総額が高く、多くの人に保有されています。仮想通貨と言えばビットコイン(BTC)始まりはビットコインです。
ビットコインの基本情報
単位 | BTC |
発行上限量 | 2,100万BTC |
発案者 | サトシ・ナカモト |
ブロック生成時間 | 10分 |
ハッシュアルゴリズム | SHA-256 |
コンセンサスアルゴリズム | PoW(プルーフ・オブ・ステーク) |
「サトシ・ナカモト」と呼ばれる人物の論文が発表
ビットコイン(BTC)のマイニングにかかる電気代から、現実のお金に換算したときの価格が提示されました。同年10月、1BTC=約0.09円で初めて売却されました。
ビットコイン(BTC)を保有していた10代の若者が、米国チェーン店「パパ・ジョンズ」からピザ2枚を購入することが出来ました。
代金の約25ドルを10,000BTCで決済したので、この時のビットコイン(BTC)の価値は約0.25円/1BTCです。これをきっかけに、ビットコイン(BTC)の価格高騰が始まります。
因みに現在のビットコインの価値で10,000BTCを円に換算すると84億円です。
トレーディングカード販売業を営んでいたMt.Gox(マウントゴックス)がビットコイン(BTC)の取り扱いを始めます。
米TIMES誌にビットコイン(BTC)が取り上げられました。
2011年4月は85〜90円=1BTCでしたが、2011年6月には1489円(およそ17〜18倍)と価値高騰しています。
ビットコイン(BTC)の価格は下がり、2012年11月頃までに最安400円を記録しました。
2013年12月に中国政府が金融機関のビットコイン(BTC)取扱いを全面禁止するまで、1BTC=11万円〜12万円と高騰していました
Mt.Gox事件の余波が大きく、1万円台〜6万円の間で乱高下します。
2014年にはZaif(ザイフ)、bitFlyer(ビットフライヤー)、Bitbank(ビットバンク)が次々に開業しています。
その後、DMM.com やPCゲーム配信を行うSteamが、次々にビットコイン(BTC)決済を始めました。
この3ヶ月前の1月には、中国でも人民銀行が仮想通貨取引所と会談を行っています。「仮想通貨取引所の法規制」を中心とした改正資金決済法が施行され、この年は仮想通貨元年と呼ばれました。
4月時点では12万円=1BTCでしたが同年12月には200万円を超えました。
一時40万円代まで大暴落します。
その後は・・
サトシ・ナカモトとは?
サトシ・ナカモトとは?
ビットコイン(BTC)の生みの親と言われているこの人物、実は未だに正体不明です。名前から日本人だと想定されて「中本哲史」と呼ばれることもあります。
ソースコードを公開しビットコイン(BTC)を開発するBitcoinCore(ビットコインコア)・公式サイトであるBitcoin.orgを作りましたが、その全てを開発グループに引き渡して姿を消しました。GitHub上では
彼は100万BTCを保有している
自分はサトシ・ナカモトと会ったことがある
と様々な情報が飛び交っていますが、いずれも真偽不明です。

仮想通貨ビットコイン(BTC)のまとめ
仮想通貨ビットコイン(BTC)は2008年に考案された革命的な発明です。ビットコイン(BTC)のマイニングやその他のアルトコインのマイニングなら、通貨流通に貢献することで報酬として受け取ることが出来ます。
日本国内でマイニング収益を上げるにはビットコイン(BTC)のマイニングではなくアルトコインのマイニングがおすすめです。
マイニングの税金関連についてはこちらの記事でまとめています。